女優の鶴田さやか 「鶴田さん」と呼んだ亡き父への感謝を語る

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 鶴田さん(俳優・歌手の鶴田浩二さん)のことは今も常に、息をするように考え、思っています。62歳で逝って28年経ちますが、家族中がありがたく、特に同じ世界に入った三女の私(女優・歌手の鶴田さやか=55)はその影響、恩恵、エネルギーで仕事させていただいている。本当にありがたい限りです。

女性関係以外は筋が通っていた

 父を「パパ」と言うような時代は少なかったですね。私はデビューが高校と早く、その頃から鶴田さんと呼んでいました。

 とにかく不思議な人、ミステリアス。いろんな顔があり、どの面が出るか、毎日分からない。その時々の役柄や状況、家に帰ってきた雰囲気から、いち早く様子を察知して、合わせなければならない。家では徹頭徹尾、終始一貫して、その意に沿わないといけないと思って暮らしてました。

 一家だんらんもありましたけど、それは彼が望んで、そう演じるのに応えるということ。生い立ちがすごく幸薄いものでしたから、自分の家庭は理想に持っていきたかったのでしょう。それで、ものすごく盛り上げていると、そんな家族の顔を見て、今度はそれを壊したくなる。それにいちいちついていかなければならない。日替わり、時替わりで、母さえも読めないのですから、それは大変ですよ。

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