父鶴瓶にダメ出しされ 駿河太郎を変えた鈴木おさむの演出

公開日: 更新日:

 でも、それが理解できなくて。「何なんやろ」と思ったまま、翌日、劇場でおさむさんに「何て言ってた?」って聞かれたので、「よく分からないんですけど、メチャメチャ、ダメ出しされました」と話したんです。

■ふとしたセリフがターニングポイントに

 そうしたらその日の舞台で、僕と山崎樹範さんと施鐘泰さんが演じるアドリブシーンのとき、山崎さんが前日までなかったセリフを何の予告もなく僕に振ってきた。振られた以上、僕はアドリブで返さなければならないんですが、ない知恵絞って言ったセリフがダダ滑りしたんです。

 本来、そこは笑いを取るシーンなのに、満員御礼700人ほどの観客が誰一人として、クスリとも笑ってくれなくて。どんなセリフを振られて返したか、スッポリ記憶がないんですが、本当に恥ずかしかった。

 フラフラになりながら、「もう、ここで俺を殺してくれ」と言って、舞台の隅のベンチに崩れ落ちるって芝居をしたんです。

 恥ずかしいやらつらいやらで、その時は本当に殺してほしいと思ったから、口走った自分の本音。舞台上で人生に一度あるかないかの大恥をかいて、生身の僕自身をさらけ出した瞬間ですね。すると不思議なもので、パーンとお客さんが笑ってくれた。それ以降は、ちゃんと僕のセリフを聞いて、リアクションしてくれるようになったんです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

    大谷騒動は「ウソつき水原一平におんぶに抱っこ」の自業自得…単なる元通訳の不祥事では済まされない

  2. 2
    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

    狙われた大谷の金銭感覚…「カネは両親が管理」「溜まっていく一方」だった無頓着ぶり

  3. 3
    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

    米国での評価は急転直下…「ユニコーン」から一夜にして「ピート・ローズ」になった背景

  4. 4
    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

    中学校勤務の女性支援員がオキニ生徒と“不適切な車内プレー”…自ら学校長に申告の仰天ア然

  5. 5
    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

    初場所は照ノ富士、3月場所は尊富士 勢い増す伊勢ケ浜部屋勢を支える「地盤」と「稽古」

  1. 6
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7
    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

    水原一平元通訳は稀代の「人たらし」だが…恩知らずで非情な一面も

  3. 8
    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

    「チーム大谷」は機能不全だった…米メディア指摘「仰天すべき無能さ」がド正論すぎるワケ

  4. 9
    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

    「ただの通訳」水原一平氏がたった3年で約7億円も借金してまでバクチできたワケ

  5. 10
    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”

    大谷翔平は“女子アナ妻”にしておけば…イチローや松坂大輔の“理にかなった結婚”