野球評論家・川藤幸三さん語る 「19年現役は酒のおかげ」

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 しかも、「おまえもせえ」とは一切言わん。不言実行、背中で後輩にものを教えてくれとった。それ見て、「この人は単なる大酒飲みやない」と思うたね。それこそホンマの先輩や。怖い、やかましいだけの先輩とは違う。

 それと基本、飲む時は自腹。タイガースの4番ゆうたら、どこ行ってもタニマチはおるもんやけど、人に気ぃ使うて飲みたないってタイプやから、付き合いは大事にしとったけど、媚は売らんかった。

 そして何より酒を飲むことが明日への活力、明日への糧やった。「明日、ヒットを打つんか」って聞かれて「打ちます」と答えると「よし、ほんなら飲め」。「打てるかわかりません」って返事したら「帰れ」。「明日へつながる酒やったらなんぼでも飲め」「憂さ晴らしなら飲むな。酒に失礼やろ」とね。

 そんなワシも、1回だけヤケ酒したことがあった。3シーズン目の70年。この時は不振も不振、大不振。せやのに二軍降格に納得いかんかって、若手連れて神戸・三宮の馴染みのスナックへ行ったんや。よほど怖い形相しとったんやろな。飲みだしたのに、ホステスもママも誰も近寄ってこん。若手も縮こまっとる。いつものブランデーがなんもおいしない。

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