評論家ラリー遠田氏が見たM-1王者・銀シャリの勝因と将来

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「昨年は2位で惜しくも涙をのんだ。3度目の決勝で大本命の優勝といっていいでしょう」

 とは、お笑い評論家のラリー遠田氏。4日にABC・テレビ朝日系で生放送された漫才頂上決戦「M―1グランプリ2016」で第12代王者の座に輝いた「銀シャリ」(鰻和弘=33、橋本直=36)についての寸評だ。

 ファイナリスト9組は例年以上に粒ぞろいで、画面から会場の白熱かつ緊迫した空気を感じた視聴者は多かったのではないか。その中で銀シャリが勝ち得た理由は、ずばり「王道」だ。

 最近の漫才の傾向は話の途中でネタやストーリー設定を挟み込む「コント漫才」や「漫才コント」といわれるスタイルが目立つが、「銀シャリの2人は話芸だけで笑いを追求する王道漫才。そのぶん、ネタもしゃべりもクオリティーの高さが求められますが、彼らはいずれも兼ね備えている。ドレミの歌とか誰もが知っている材料を使って、きちんと笑わせる。衣装ひとつとってもレトロな昭和感が漂うなど、郷愁を誘うところも持ち味のひとつ。大阪の年配客の多い劇場で場数を踏み、鍛えられた成果ともいえるのではないでしょうか」(前出のラリー氏)。

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