巨人マルティネス「年俸12億円」の真価はこれから…万年Bクラス中日が古巣、V争い未体験
「個人的に残した数字は立派でも、『Bクラス球団のストッパー』というのが、彼の抑え投手としての“格”だった」
評論家の権藤博氏がこう言っていた。
巨人の守護神、ライデル・マルティネス(28)が29日のDeNA戦で1回を1安打無失点に抑えて今季26セーブ目。開幕からの連続無失点記録を31試合に伸ばし、2016年に元同僚の中日・田島慎二(現二軍投手コーチ)がマークしたセ・リーグ記録に並んだ。
阿部慎之助監督は「(巨人に)来てくれてありがとうございましたって感じです」と本人以上に“快挙”を喜んだが、ライバル中日の絶対的ストッパーを迎えるのに巨人が用意したのは、破格の4年総額50億円。年俸にして12億円を超えるとされるだけに、「最低でも昨年(60試合で43セーブ、防御率1.09)以上の成績を残してもらわなければ、費用対効果が見合わない」と、さる巨人OBがこう続ける。
「ここまでの結果は文句のつけようがない。真価が問われるのは、ここからでしょう。マルティネスは18年の支配下登録以来、昨季までの7年間で通算166セーブ、防御率1.71と圧倒的な数字を残してきた。が、その間の中日の順位は5位が3度で最下位が3度。Aクラスに入ったのは、20年の1度だけだった。権藤さんが言っている『Bクラス球団のストッパー』というのはそういうことでしょう。ストッパーは大きなプレッシャーがかかる役割とはいえ、優勝を争うチームとそうでないチームのストッパーはやはり、プレッシャーも緊張感もまったく違ってくる。巨人は首位の阪神に3.5ゲーム差の3位。マルティネスにとって優勝争いは初体験になるから、しびれるような試合が続く中で無双状態であり続けられるか。プレッシャーをはねのけ、巨人を優勝まで導いてこそ、高額年俸の価値があったと判断されるのだと思う。12億円はそれくらいの金額です」