著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

1人2役「コピーフェイス」は栗山千秋の代表作になるか?

公開日: 更新日:

 TVリポーターのエイブリーは飛行機事故から生還するが、意識が戻った時、自分が別人になっていることを知る。キャロルという犠牲者と間違えられ、形成手術で彼女の顔にされてしまったのだ。上院議員候補の夫をもつキャロルは、かなりの悪妻だった。しかも、エイブリーは病床で聞いた「夫を殺す」という言葉を記憶していた……。

 これは26年前に全米でベストセラーとなった、サンドラ・ブラウンの小説「私でない私」である。作中のTVリポーターを雑誌記者に、議員候補夫人を病院理事長夫人に置き換えたのが、NHKドラマ10「コピーフェイス~消された私~」だ。

 記者の広沢和花(栗山千明=32)は美容外科クリニックの不正を暴こうと、理事長(佐藤隆太=36)の妻・芙有子(栗山千明)に接近していた。そして同乗した飛行機が墜落したのだ。当初、事故のショックで記憶を失っていたが、自分が記者であることを思い出す。その上で、芙有子の容姿と立場のまま、“潜入取材”を敢行中だ。

 現在、夫は妻の性格の変貌をいぶかしく思いながらも、好ましく感じ始めている。一方、何かを探っている芙有子に目を光らせる者たちもいる。主演の栗山は、ヒロインが持つ“二面性”を演じ分けるという、なかなか難しい役どころに挑戦して大健闘。もしかしたら、彼女の代表作の一本となるかもしれない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束