「灯台のような存在」 津田寛治が語る大杉漣との25年

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 ところが、撮影直前に台本を変更。しかも、走り書き程度のメモをチラッと見せられただけ。当然、緊張でガチガチです。そんな時に「大丈夫、大丈夫」と大杉さんが声をかけてくれたおかげで、肩の力がスッと抜け、半分くらいアドリブを入れながら何とか出番を終えることができたんです。

 それがよかったらしく、喫茶店のシーンだけの予定だったのに沖縄ロケまで出ることに。うれしかったですねえ。現場を間近で見られて芝居の勉強までさせてもらえるんですから。

 結局、北野作品には今年秋公開の「アウトレイジ 最終章」まで全部で7作品に出演しました。学んだのは“何もしない芝居”。大げさなアクションや身ぶり手ぶりをしないで演じる中にこそ、リアルな演技があるということ。それは今も役作りの基本になっています。

■見返りを求めない

 一方の大杉さんは「ソナチネ」以降も何かと電話をくださり、私生活まであたかも親戚のオジちゃんみたいに気遣ってくれました。94年に消防団員をモチーフにした竹中直人監督の「119」に出演しましたが、竹中監督との出会いをセッティングしてくれたのも大杉さん。この時は保育園に娘さんを迎えに行かなければならなかったのにキャンセルして付き添ってくれたんです。

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