著者のコラム一覧
碓井広義メディア文化評論家

1955年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。千葉商科大学大学院政策研究科博士課程修了。博士(政策研究)。81年テレビマンユニオンに参加。以後20年、ドキュメンタリーやドラマの制作を行う。代表作に「人間ドキュメント 夏目雅子物語」など。慶應義塾大学助教授などを経て2020年3月まで上智大学文学部新聞学科教授。専門はメディア文化論。著書に「倉本聰の言葉―ドラマの中の名言」、倉本聰との共著「脚本力」ほか。

“ドラマ4話でキス”…NHK「新春TV放談」で光った3人の話

公開日: 更新日:

 2日に放送されたNHK「新春TV放談2018」。NHK・民放を問わず、いまのテレビについて語り合うという内容で、今年でもう10回目となる。司会は千原ジュニアと首藤奈知子アナ。パネリストとしてテリー伊藤、ヒャダイン、カンニング竹山らが並ぶが、今回はゲスト的な3人が光った。

「池の水ぜんぶ抜く」(テレビ東京系)が話題の伊藤隆行P。「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」(日本テレビ系)などの“お仕事ドラマ”をヒットさせた小田玲奈P。そして元SMAPの3人が出演した「72時間ホンネテレビ」(AbemaTV)を仕掛けた、サイバーエージェントの藤田晋社長だ。

 中でも伊藤Pの「脱・企画の保険」という話が刺激的だった。局内の会議で企画内容よりも視聴率確保の方策(=保険)ばかりが話題になることに反発したというのだ。

 マーケティングに頼らず、自分たちの実感を大切にする姿勢が頼もしい。

 また小田Pの「ドラマの中身はお仕事だけど、視聴者を引っ張るのに恋愛を使う」「4話でキス」などの発言はリアルだし、藤田社長の「テレビも視聴率以外の指標が必要な時代」という意見にも説得力があった。

 番組の1000人アンケートでも、ドラマを放送時に見る人と録画で見る人はほぼ同数。今年はテレビのビジネスモデルの変革も待ったなしだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」