「つぶれない店SP」が共感呼ぶ 高田明氏“成功譚”の説得力
20日の「坂上&指原のつぶれない店SP」(TBS系)にジャパネットたかたの高田明前社長が出演した。
番組では高田前社長に密着取材。佐世保の小さなカメラ店から出発し、朝から晩まで働き通しで、一代でテレビ通販王国を築いた姿に迫ったものだ。実は高田前社長は先月、日経新聞の連載「私の履歴書」で半生を語って話題になったのだが、番組はそれをかなり参考にして作られたものだろう。
こういう地に足のついた成功譚はサラリーマンの参考にもなって興味深い。タレントの無駄話などとは比較にならないほど説得力もある。
「番組の制作者はお手軽にタレントやスポーツ選手の失敗談に飛びつきますが、テレビを見ている中高年の視聴者はもっと切実で共感できるものを求めているはず。新聞のなぞりでもいいから丁寧な番組作りを目指すのも大切だと思います」(テレビウオッチャー)
15年に息子に会社を譲ったが、昨年、地元長崎のサッカークラブ「V・ファーレン長崎」の社長に就任して経営を立て直し、売り上げは25億円に達した。1試合平均4000人程度だった観客数も昨年11月には2万2000人に。チームをJ2からJ1に昇格させた手腕は傑出している。
現在の給料を聞かれて「20代後半のサラリーマンと同じくらい」と語っていたが、なんだか頭が下がる話だ。
何千億円稼いでも社会に還元せず、女優やモデルと浮名を流しているIT社長らは、彼の爪の垢でも煎じて飲んでほしいもの。浮ついたテレビマンもしかりだ。