著者のコラム一覧
吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

スタジオジブリ鈴木敏夫編<後編>初仕事が人生に影響与える

公開日: 更新日:

 魑魅魍魎が跋扈するアニメビジネス界で「怪物鈴木」とも呼ばれる片鱗にチラッと触れることがある。もちろん、この私も数年に1度くらい、ビジネスの話でビシッと断られることもある。その場合「(笑)」はない。しかしその後、断られた感じを引きずられることは決してなく、ビシッと何故それが難しいかを簡潔に説明した文章の後、「ご理解下さい」とくる。どう考えても二度と話は持ちかけられないし、次にお会いしたときもまったくその話がなかったかのように和やかである。

 そしてまた、ふと思い出すのは都心の鈴木さんの隠れ家兼打ち合わせ場でドワンゴの川上量生さんが私に「鈴木さんて、本当のことしか言わないんですよね」と私に言ったことだ。もちろん、鈴木さんも百戦錬磨の大人だから、交渉や対話におけるさまざまな高等テクニックを持っているのは当然だが、そのときもほとんど「嘘」はつかないし、お追従は言わない。相手がそれなりの脳みそを持っていれば鈴木さんが柔らかい言葉でやんわりと断っていることが、判然とする。一方、前向きに「やりましょう」と言ったときには一点の曇りもない。これは大小どんな相手でも変わらないのだ。もちろん鈴木さんにとって「面白いもの」は面白いし、「つまらないもの」はつまらないので、言葉に出さずとも鈴木さんを見ていればその表情や姿から明らかにわかる。天下の大新聞に講演を頼まれ「皆さん。本当のことを書いて下さい」と言い放ったというのだから、年季が入っている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一の先行きはさらに険しくなった…「答え合わせ」連呼会見後、STARTO社がTOKIOとの年内契約終了発表

  2. 2

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  3. 3

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  4. 4

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  5. 5

    日本語ロックボーカルを力ずくで確立した功績はもっと語られるべき

  1. 6

    都玲華プロと“30歳差禁断愛”石井忍コーチの素性と評判…「2人の交際は有名」の証言も

  2. 7

    規制強化は待ったなし!政治家個人の「第2の財布」政党支部への企業献金は自民が9割、24億円超の仰天

  3. 8

    【伊東市長選告示ルポ】田久保前市長の第一声は異様な開き直り…“学歴詐称”「高卒なので」と直視せず

  4. 9

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  5. 10

    ラウールが通う“試験ナシ”でも超ハイレベルな早稲田大の人間科学部eスクールとは?