著者のコラム一覧
吉川圭三映像プロデューサー

1957年、東京都生まれ。82年日本テレビ入局。「世界まる見え!テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」などを手掛ける。現在、ドワンゴのエグゼクティブプロデューサー、早稲田大学表現工学科講師を務める。著書に「たけし、さんま、所の『すごい』仕事現場」(小学館)、「全力でアナウンサーしています。」(文藝春秋)がある。

スタジオジブリ鈴木敏夫編<後編>初仕事が人生に影響与える

公開日: 更新日:

 私は鈴木氏が怒ったのをほぼ見たことがない。弟子で元ジブリの石井朋彦氏が書いている。

「石井君、そんなに怒ってばかりいると疲れるぞ」「でも、あの人が悪いんじゃないですか!」。そういうと鈴木さんにこうたしなめられた。

「人生に本当に怒らなければならないのはせいぜい1年に1回か2回なの!」

 そんな鈴木氏はあの「事件とヤクザとエロ」の雑誌「アサヒ芸能」編集部に3年間も居た。その間に経験した、生々しい、タブーな、地を這うような話が次々に私も同行したある取材で語られた。

「先日はありがとうございました。アサ芸時代の話をまとめて聞くのは初めてでしたが壮絶かつ貴重でした。やはりあの3年が今の鈴木さんにある意味、刻印を刻んでいるのでしょうか」とメールすると、「思い返して下さい! 学生から社会人になって初めてついた仕事がその人の人生に大きな影響を及ぼしているんです。吉川もテレビ局に入った当初経験したことが今でも影響しているんです」と強い調子で返信が来た。

 これは教育的指導であったのか? 何かの教訓を与えてくれたのか……今となっては判然としないが、それは、最近では仙人化したかに見える鈴木敏夫さんの中にある、ある種の「激しさ」を感じた瞬間でもあった。鈴木さんの「だるまストーブ」的エネルギーはいまだに健在なのは確かである。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた