著者のコラム一覧
クロキタダユキ

ヒトラーの忘れもの(2015年・デンマーク/ドイツ)

公開日: 更新日:

 第2次大戦後、デンマークの砂浜には、独軍の地雷約220万個が埋められていた。その除去に駆り出されたのが、ナチスの少年捕虜2000人で、ほとんどは15~18歳だったという。

 指揮するのは、デンマーク軍の軍曹。母国を5年間も占領した敵国だけに、少年といえども容赦しない。食事はろくに与えず、厳しい任務に当たらせる。

 砂浜に這いつくばり、砂下15~20センチに埋められた地雷を一つ一つ見つけると、震える手で地雷を開け、信管を外す。ノルマは1時間に6個。

 とにかく処理するシーンはハラハラする。手足が吹き飛ばされ、「ママー」と泣き叫びながら死んでいく少年たち。中には、跡形もなく吹き飛ばされる少年も。地雷の怖さがひしひしと伝わってくる。故ダイアナ妃が、地雷現場を歩いたことがどれだけ勇気ある行動だったか分かるだろう。

 14人いた少年は、一人また一人と命を落とし、やがて4人に。彼らの爆死を目の当たりにして、軍曹の心に変化が。無垢な少年兵に戦争の罪を償わせることが、果たしていいのか。悩める軍曹はこのセリフとともに、生き残った少年に希望を持てと言い聞かせる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?