著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

市川崑作に続く? 河瀬直美監督に求められる東京五輪映画

公開日: 更新日:

 2020年に開催される東京五輪公式映画の監督に、「あん」などで知られる河瀬直美氏が抜擢された。これは意外だった。

 宮崎駿監督や北野武監督らの名前も挙がっていたと思うが、結果的に河瀬監督がその大任の座を射止めたことになる。

 作風より、世界的な知名度のほうが優先されたのだろう。カンヌ国際映画祭などで受賞歴がある。五輪に対する考え方なども考慮されたらしい。五輪への姿勢が組織委員会と合致したとみるのが自然だ。推測するに、その姿勢の評価がかなり高かったのではないか。

 五輪映画で思い出すのは、市川崑監督の「東京オリンピック」(1965年公開)だ。素晴らしい作品だった。芸術性優先のあまり、一部の政治家から批判が起きたことでも知られるが、とにかく感動的で美しい作品との印象が強い。

 歴史に残る名曲のオリンピック・マーチ(古関裕而作曲)に乗って、整然と行進する開会式の選手団入場のシーンは、胸をかきむしられるほど見事で何度見ても涙が出る。さりげなく、一般観客の姿をとらえた数々のシーンの臨場感。なかには外国人カップルのラブシーンもあって、肝心要の試合に引けをとらないくらい周辺の描写に抜きんでた面白さがあった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”