夜の部「法界坊」猿之助筆頭にワンピース一座の若手が活躍

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 11月の歌舞伎座は、豪華な顔ぶれが揃うはずの「顔見世」だが、今年は京都・南座、平成中村座、国立劇場で公演があるせいか、大幹部は菊五郎と吉右衛門だけと寂しく、客は正直なので、客席も寂しい。

 昼の部の最初は、川口松太郎作「お江戸みやげ」。すべてが予定調和のなかで進む、何の意外性もない物語。歌舞伎でなかったら、ばからしくて見ていられないストーリーだが、役者がいいので面白い。梅枝と右近が若いカップルを等身大で演じ、このリアルさと、時蔵と又五郎の徹底的な虚構とが、どうでもいいストーリーを見応えのあるものにさせる。

「十六夜清心」は、長い物語の一部だけの「見取り」での上演。物語の導入部、主役たちが揃ったところで幕切れ。一緒に見た友人は「歌舞伎がこんなにシュールだとは」と驚いていた。たしかに、これで終わりだとしたらシュールだ。見取りはストーリーの面白さを楽しむのではなく、名優の芸を見るための上演形態で、たしかに菊五郎、吉右衛門、時蔵の芸の力は感じさせるが、演劇としての面白さはない。続きを見たいという不満が残ってしまう。こういう上演形態は、そろそろ限界ではないだろうか。

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