前作ワンピース以上 新作歌舞伎の意義示した「ナルト」

公開日: 更新日:

 歌舞伎座が「納涼歌舞伎」、新橋演舞場が新作歌舞伎「NARUTO―ナルト―」と、2劇場で若手が競い、新作も合計3作。そのなかでは「ナルト」が圧倒的に面白い。「ワンピース」に次いでの「少年ジャンプ」マンガの歌舞伎化だ。

 ワンピースは歌のないミュージカルのようで、歌舞伎と呼ぶには違和感があったが、ナルトは現代に新作として作る意味のある歌舞伎となっている。パラレルワールドではあるが戦国時代が舞台で、忍者が主人公なので、ワンピースよりは歌舞伎の世界に近い。歌舞伎と銘打つのなら、昔の日本が舞台で、音楽は洋楽を交えてもいいが基本は邦楽にして欲しいので、この条件を満たす。現代風のスピーディーなアクションによって、歌舞伎が活劇であることを再認識させてくれた。

 主人公のナルトは坂東巳之助、ライバルのサスケは中村隼人で、ともにワンピースに出演して注目された平成生まれの若手。ワンピースは尾上右近を含め、3人の若手をスターにしたわけで、若手育成における猿之助の功績は大きい。猿之助自身もナルトにはラスボス的な役で、毎日ではないが愛之助と交互に出演し、さらに猿之助一門の猿弥、笑三郎、笑也が若い3人を支えた。また、若女形の中村梅丸が見事に開花した。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝