著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

ゴーン再逮捕報道に思う「クジラ食ったことないやろ」

公開日: 更新日:

 店の大将が“さえずり”もいっときましょかと、返事も聞かずに出してくれた。舌の身は格別な味わい。人の舌にある味蕾細胞の数が白人の倍もあると聞く日本人はこういう食文化に生きてきた。国内外でクジラは知能が高いから殺すなと意味不明な主張が飛び交う。牛馬の肉ならいいのか。牛馬や犬はドタマが悪いのか。畜生さまに失礼な話だ。

 人は畜生さまの命を頂戴してきた。いや、人は動物に食われながら生き残ってきたのだ。「鯨食」は縄文時代からある。反対するヤツは何様のつもりだ。地球の何を守りたいんだ。

 どうでもいいが、イワシクジラの「百尋」という小腸の珍味を食ってみろ。生きるために人は食う。寒くて花見などする気ないわと言うと、「ハリハリ鍋」も作ってくれた。金の亡者ゴーンよ、ええ死に方しないやろが、ハリハリの汁も飲まないで死んでいく哀れな男だ。

 また思い出す。新宿のションベン横丁にあった「鯨カツ定食」店。380円だった。ピンク映画ロケの昼飯に欠かせなかった、クジラ、命をありがとう。そっちも命懸けで生きろよ。

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