久保田早紀“引退”の契機 久米小百合さんが聖書を開いた訳

公開日: 更新日:

 プロの歌手になるのは目標でしたし、夢でもあった。デビュー曲から大ヒットしたことといい、幸運の連続でしたけど、沢田研二さんにゴダイゴ、ばんばひろふみさんら、憧れのスターを目の前にしても、本当はダミーなんじゃないかとか、ご本人なのにそうは見えない。こんな経験はめったにないと楽屋にサインをいただきに走ったり、憧れのユーミンにお目にかかったりもしたのですが、どこか別の世界のことで、どこにも身の置きどころのない、明日をも知れない異邦人のような感じがしていたんです。そんなとき、ふと心のよりどころといいますか、リラックスできることが書いてあるんじゃないかと聖書を手に取ってページをめくると、イエスの言葉が目に飛び込んできました。

「だから、明日のことを思い煩うな」

 いつも清く正しく美しくという生き方の模範が書かれているのではなく、迷い、間違ったり、醜くもなる、私のような弱い者に向けて書かれていたんです。あのイエス様も、思うに任せない人の運命を知っていて、気にするなと背中を押してくれている。崇高な、堅苦しいイメージだったのが、一気に身近に感じられ、ボブ・ディランの「風に吹かれて」を聴いたような気分になったのです。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    秋季関東大会で横浜高と再戦浮上、27連勝を止めた「今春の1勝」は半年を経てどう作用するか

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

  4. 4

    星野監督時代は「陣形」が存在、いまでは考えられない乱闘の内幕

  5. 5

    「自維連立政権」爆誕へ吉村代表は前のめりも、早くも漂う崩壊の兆し…進次郎推しから“宗旨変え”

  1. 6

    ドジャース大谷翔平が直面する米国人の「差別的敵愾心」…米野球専門誌はMVPに選ばず

  2. 7

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  3. 8

    自民「聞いてないよォ」、国民・玉木氏「どうぞどうぞ」…首相指名の行方はダチョウ倶楽部のコント芸の様相

  4. 9

    号泣の渋野日向子に「スイングより、歩き方から見直せ!」スポーツサイエンスの第一人者が指摘

  5. 10

    「ガルベスと牛乳で仲直りしよう」…大豊泰昭さんの提案を断固拒否してそれっきり