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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

フジ映画好調 お祭り政治風刺の効いた三谷監督作がヒット

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 フジテレビ映画が好調だ。先週公開されたばかりの「記憶にございません!」を含めると、今年に入って実に5作品連続で大ヒットを放ったことになる。この8月から9月、テレビ局製作の映画が足並みを揃えたかのようにヒット作を連発しているが、やはりフジテレビが抜きんでている。

 公開順に「マスカレード・ホテル」(興収46億2000万円)、「翔んで埼玉」(同37億5000万円)、「コンフィデンスマンJP」(25億5000万円)、「劇場版 ONE PIECE STAMPEDE」(推定同55億円)といった具合である。「記憶にございません!」は35億円が狙えるという。

 もともとフジテレビは映画事業に定評があることで知られる。ただ、今年からはヒットのバリエーションに変化が出てきた。「踊る大捜査線」や「海猿」などのシリーズものが圧倒的に強かったかつての一極集中型の興行から、多極型の興行への移行である。

 これまで同様にドラマの映画化もあれば、アニメーションもある。作品ジャンルもサスペンスやコメディーなど多様で、俳優陣は力量が備わった豪華さを誇る。中身でいえば、分かりやすさとテンポの良さが際立つ。それらを形作っているのが、同局得意の集団劇的なテイストが生むお祭り気分だ。作品にみなぎるテンションの高さが、お祭り気分を盛り上げる。

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