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大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

ワンス・アポン・ア・タイム・イン~から始まる2本の映画

公開日: 更新日:

 何とも面白い現象だ。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン」(「昔々」の意)という実に長ったらしい題名が付けられた洋画が、同時期に2本も公開されている。「ワンス・アポン~」のあとには、それぞれ「・ハリウッド」と「・ザ・ウェスト」と続く。

 前者は本コラムで以前に紹介したクエンティン・タランティーノ監督の新作。後者は1969年に公開されたマカロニ・ウエスタンの巨匠、セルジオ・レオーネ監督の傑作西部劇の題名だ。

 レオーネ監督でいえば、彼が演出した3作品で「ワンス・アポン・ア・タイム・イン」が付く。先の「ウェスト」に加え、「・ザ・レボリューション」(71年)、「・アメリカ」(84年)の3本だ。

 ただし、うち2本の邦題はかなり異なる。「ウェスト」はシンプルに「ウエスタン」、「レボリューション」はマカロニっぽい「夕陽のギャングたち」だった。昔は原題のままでは分かりにくいとの判断が強固で、工夫された邦題が多かった。2本ともに文句なしの邦題であったといえる。

 ただ「アメリカ」に限って、邦題は原題のままの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」だった。なぜか。邦題のいい案がなかったからといわれている。公開前にカンヌでお披露目され、原題での報道が多かったからという理由もあったらしい。

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