2月大歌舞伎は松嶋屋父子3代魅せる めったにない演劇体験

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 めったにない演劇体験が得られる。最近は空席の目立つ歌舞伎座3階席も埋まっていたから、ファンは見逃してはいけないと分かっている。

 仁左衛門の菅丞相そのものが5年に一度なのだから、今回見逃すと、次は5年くらい先だろう。千之助の苅屋姫は今回が初役。まだ大学生で、今後、立役になるのか女形になるのか、模索している時期だ。自分のせいで養父である菅丞相が失脚し、責任を感じながらも何も出来ない苅屋姫の心情が、多分、千之助のいまの心境とシンクロしている。

 そして玉三郎の覚寿。菅丞相の伯母であり苅屋姫の実母という老婆の役なので、いつもの「美しい玉さま」ではない。演技力で見せる。

 菅丞相と覚寿は、ほとんど視線を合わせない。それなのに、統一感のある舞台になる。半世紀にわたる共演の積み重ねが可能にした「距離感のある共演」である。

 夜の部は片岡我當が久しぶりに出る「八陣守護城」、玉三郎と勘九郎の舞踊劇「羽衣」、菊五郎の「人情噺文七元結」、梅玉・秀太郎の「道行故郷の初雪」と、盛りだくさん。

作家・中川右介)

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