暑さを忘れて謎解きに没頭!ミステリー文庫特集(2)あの長編ユーモアミステリーの傑作が復刻「殺人がいっぱい 復刻版」辻真先著

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 主人公とともに事件に巻き込まれながら、謎解きに浸るのがミステリー小説の醍醐味。今回は、2026年に読みたい傑作短編集や、異色の海外ミステリーなど4冊をピックアップした。犯人を解明するスッキリ感や、トリックに気づくゾクゾク体験で、夏の暑さを忘れよう。

  ◇  ◇  ◇

「殺人がいっぱい 復刻版」辻真先著

 1986年に刊行された長編ユーモアミステリーの傑作が、祥伝社文庫40周年記念で復刻。主人公とともに事件の真犯人を追うワトスン役を担うのが、何と元“フーゾク嬢”の幽霊というハチャメチャな設定だ。

 主人公の大日向陽は、漫画家を目指して上京した大男。食えない日々で家賃の滞納もたまる一方だ。ある日、大家を借金取りから救った礼として、滞納分をチャラにする上、屋上の小屋に無料で住んでいいと言われる。ところが、小屋の布団をめくったところ、そこには色っぽくて少し“透けた”若い女性が……。

 草場影子と名乗るその幽霊は、自分は何者かに殺されたと話す。陽は奇妙な成り行きから影子殺害犯を追うことになるのだが、容疑者筆頭は暴力団組長。そして、謎の連続殺人事件へと巻き込まれていく。

 まだ携帯電話も普及していなかった当時の時代感や、死語となったセリフの連発がユニークさに拍車をかける。テンポのよいミステリー作品だ。 (祥伝社 924円)

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