著者のコラム一覧
板坂康弘作家

東京都出身。週刊誌ライターを経て、阿佐田哲也、小島武夫が結成した「麻雀新撰組」に加わり、1972年創刊「近代麻雀」の初代編集長。小説CLUB新人賞を受賞して作家デビュー、著書多数、競輪評論でも活躍。

<1>麻雀で始まり競輪場で終わった18年の付き合い

公開日: 更新日:

「板さん、ぼくは博打ぐらいロマンチックなものは、ないと思っているんだよ」

 と、同意を求められた話を紹介した。ギャンブルとは、危険という虚妄に、身をやつした、夢。私もまったく同意見だと返した。

 さて、このシリーズでは、18年間の付き合いだった阿佐田哲也さんを座標軸に、ギャンブルエッセーを書きたい。

 それにしても……、今も立ち上がる思いがある。麻雀卓を挟んで初対面。競輪場のスタンドで手を振ったのが永訣。海外のカジノで肩を並べての奮闘もあった。こんな人間関係は、一体、何だったのか。

 阿佐田哲也語録の中で「人生は8勝7敗でいい」という言葉が知られている。大相撲でも1年間、8勝7敗なら、幕尻から小結になれる。

 同時に阿佐田さんは、よき敗者(グッドルーザー)であれと、主張したかったと私は思う。人生ゲームでは勝者を目指すのは当然だが、負けに沈むのも味わい深い。このあたりから、次回、話を続けよう。

【連載】阿佐田哲也 ギャンブルの哲学

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 4

    日テレ退職の豊田順子アナが定年&再雇用をスルーした事情…ベテラン局アナ「セカンドキャリア」の明と暗

  5. 5

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  3. 8

    阿部巨人“貧打の元凶”坂本勇人の起用に執着しているウラ事情…11日は見せ場なしの4タコ、打率.153

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    フジ・メディアHD株主総会間近…328億円赤字でも「まだマシ」と思える系列ローカル局の“干上がり”ぶり