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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

元引きこもり・山田ルイ53世 今こそ無駄を許容する社会を

公開日: 更新日:

 中2の夏のある日。通学の途中、突然の腹痛に襲われた。そして脱糞、つまりウンコを漏らしてしまったのだ。「神童」ゆえ、イジられるという選択肢もなかった山田。何とかそのまま、学校に通っていたが、幸いにもすぐに夏休みが訪れた。だが、夏休みが明けると、足が学校に向かなくなった。

 そこから20歳までの6年間、引きこもり生活に突入したのだ。部屋を出るのはトイレ、風呂、食事の時くらい。家族が寝静まった頃、冷蔵庫などを物色し、食料を確保する。引きこもり中も高校を受験したりもしたが、失敗。「人生が余ってしまった」という心境だった(同前)。

 20歳を迎えようという時期、テレビで成人式のニュースを見た山田はこのままの状態で、同級生たちが「大人」になっていくのはさすがにマズいと意を決した。猛勉強し大検を取得。ようやく引きこもりを脱した。

「その6年間があったから、今の山田さんがあるんですよね?」「全ての時間が、あなたの糧となったんですよね?」などと美談でまとめられることが多いという山田だが、「あの6年間は、僕にとって無駄やった」(「読売新聞」19年8月23日)と断言する。

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