著者のコラム一覧
板坂康弘作家

東京都出身。週刊誌ライターを経て、阿佐田哲也、小島武夫が結成した「麻雀新撰組」に加わり、1972年創刊「近代麻雀」の初代編集長。小説CLUB新人賞を受賞して作家デビュー、著書多数、競輪評論でも活躍。

<10>ツキは雑に扱うと逃げていく ドラ牌はどう扱うべきか

公開日: 更新日:

 しかし、聴牌から5巡目に、意を決してリーチを宣言した。

 狙いは他家をオロしての流局。トップになるためには、それでも十分と判断してリーチをかけた3巡目にずしりと「六萬」を引く。親のハネ満。

 実はこの半荘は流局が多く、17局の長丁場。この半荘の阿佐田さんの配牌を調べると、ドラ2枚が1回、1枚が5回あった。これだけドラがあるのはツイている証拠だが、このチャンスを生かさないと、「盛衰、掌を返す」で、一転して不運を招く。実生活でも、成功する者はチャンスを素早く掴む。

 ドラ単騎の七対子をあがった阿佐田さんは大トップを飾り、見事、次のステップへと勝ち上がった。見込みのあるとき、あるいはチャンスと感じたら、細心に取り組んで、好機を着実に得点に結びつける。

 網に入りかかった“ツキ”という魚は、雑に扱うと逃げられてしまう。これはビジネスや学業、そして恋愛にも言えることではないか。

 雀聖もこの七対子自摸は“ツキ”を掴むための好手といえよう。

▽おことわり
 当欄の筆者である板坂康弘さんが6月15日、神経内分泌がんのため、亡くなられました。享年85。この連載は生前書き残したものであり、しばらく遺稿の掲載を続けていきます。 (編集部)

【連載】阿佐田哲也 ギャンブルの哲学

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