出演者ら将棋が指せず…藤井七段の強さを伝えられない番組

公開日: 更新日:

 棋聖となった藤井聡太七段をワイドショーが話題にしようとするとき、悩ましいのは、その強さ、凄さをうまく伝えられないことだという。なにしろ、若い制作スタッフや出演者は将棋を指したことがなかったり、駒の動き方も知らない女性アナウンサーがほとんどだから、「藤井七段のこの一手で局面が逆転しました」なんてしゃべっていても、どう逆転したのかが説明できない。ひたすら「最年少」を強調して、凄いを連発するしかないのだ。

「そこで、プロの上段位者にコメントしてもらうわけですが、藤井七段はプロも予想していなかった奇手を繰り出すので、うまく解説できないんです。詳しく説明しようとすればするほど、将棋をよく知らない視聴者はもちろん、スタジオの出演者もわからなくなってしまうんです」(番組ディレクター)

 そこで、こんなことも起こる。「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)が、棋聖戦で藤井が2勝目を挙げた対局を取り上げたときのことだ。田中寅彦九段が勝因となった42手目の、「金」を「歩」の前に出す「5四金」を、「金は守りの要なので、3段目より前に置かないのが普通。その金が前に出て攻めたことで、相手の攻撃部隊を全滅させた」と解説し、番組ナレーターも「常識破り」「前代未聞」を繰り返すのだが、司会の羽鳥は「細かいことはわかりませんが、すごいんですね」ときょとんとしている。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」