「民主党史 一九九六~二〇一七」奥健太郎、中島政希編著

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「民主党史 一九九六~二〇一七」奥健太郎、中島政希編著

 先の衆院選で、小沢一郎、岡田克也、安住淳といったかつて民主党政権の中枢を担った人たちが軒並み落選。これを受けて国民民主党の玉木雄一郎代表が「本当の意味で民主党時代が終わった」と述べた。民主党は、戦後日本において単独で衆議院の過半数を制して政権交代に成功した唯一の政党だが、安倍晋三元首相が「悪夢のような民主党政権」と評したように、その政権運営は「失敗に終わった」というイメージが強い。しかし、本当にそうなのか? 本書は、民主党がなぜ戦後日本政治史において唯一の成功した政党となり得たのか、なぜ統治政党として永続することに失敗したのかという問題意識のもと、民主党の創立から解体に至る過程を詳細に分析した通史である。

 民主党は1996年9月に鳩山由紀夫と菅直人の2人を代表として結成された。当初「第三極」として発足したが98年には野党第1党となり、新民主党の結成となる。その後、2003年9月に小沢一郎党首の自由党と合併、直後の総選挙で戦後野党最大の177議席を獲得し後の政権獲得に向けて党勢を拡大するが、一方で党内の小沢対反小沢の火種を抱えることにもなる。そして09年の鳩山政権の誕生となるのだが、普天間基地問題、鳩山・小沢の政治資金問題等でつまずき短命に終わる。次の菅政権では東日本大震災の対策を巡って「菅おろし」の風が吹く。民主党の低落傾向は続く野田政権でも歯止めがかからず、12年12月、民主党政権は終焉を迎える。

 わずか3年3カ月余りの民主党政権だが、特筆すべきは、日本の政治に政権交代が起こりうることを実証したことだ。また民主党が提示したウーマノミクス論などの政策がその後の自民党政権に取り込まれたことも大きい。自民党圧勝の現在、日本の政治にオルタナティブな思考を取り戻すためにも、民主党の歩みを再確認することは何より必要なことだろう。 〈狸〉

(ミネルヴァ書房 7150円)

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