「M‐1優勝を!」親孝行は親がゾンビになる前にしたい

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 私はまた一瞬焦り「これは、途中の状態か!?」と思った瞬間に、今度はうつぶせで寝ていた父親がムクッと起き上がり急に母親と一緒にテビチを食べだし、私に「オバエモグウカ?」と言ったので、私はいったん外に出ました。

 寝起きでいきなり豚足を食う親父は、ゾンビというより人間として怖かったです。深呼吸して家に入り直して、一緒にテビチを食べましたが、「ウォーキング・デッド」は消して、「吉田類の酒場放浪紀」にかえてもらいました。落ち着いて両親と食事をすると母親の手料理はおいしく、父親は昔より優しくなっていました。僕が「あ~、親孝行しないとな。去年はいろいろ迷惑かけたしな~」と思っていると突然、父が自分のハゲた頭を触りながら「ケン! M―1優勝してハーゲーならぬハーレーを買ってくれ!」と言い出しました。

 親父は昔からハーレーが好きでしたが、一度手放した経緯がありました。今、そのことを思い出しながらこの記事を書いています。皆さま、親孝行は親がゾンビになる前にじゃなく、生きているうちにってやつですね……。

▼スリムクラブ 真栄田賢(後ろ)、内間政成(前)。ともに1976年、沖縄県生まれ。琉球大学在学中に知り合い97年にコンビ結成。「M―1グランプリ2010」で準優勝したことをきっかけに人気上昇。しかし19年6月、いわゆる「闇営業」問題で無期限謹慎処分に。同年8月に謹慎が解け活動再開、復活をかける。

【連載】スリムクラブ「僕らでもナンクルなりました」

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