芸事は積み重ね「やっぱり落語家は歌舞伎見なくちゃダメ」

公開日: 更新日:

「やっぱり落語家は歌舞伎を見なくちゃいけません。『七段目』『芝居の喧嘩』『権助芝居』『蛙茶番』『中村仲蔵』『淀五郎』など、歌舞伎が出てくる噺がたくさんありますし、世話物のせりふ回しや所作は落語にも通じます。若手が『七段目を稽古してください』と来るんですが、『仮名手本忠臣蔵は見たの』と聞くと、見たことがないって言う。見なきゃダメだよと言うんです」

 一朝が演じる「七段目」「芝居の喧嘩」などは、歌舞伎ファンが聞いて喜ぶネタだ。それは歌舞伎座で働いた経験のみならず、舞台袖や客席で芝居を見ていた蓄積が土台となって噺を形成しているからであろう。

「この噺は芝居のどういう場面か、全部頭に入ってますからイメージが湧くんです。それと、毎日見ていたことで、せりふ回しの呼吸(いき)というのが体に入っている。芝居の情景を頭に浮かべながらせりふをしゃべるので、聞いてるお客さまも頭に情景が浮かぶのでしょう」

 昨年、一朝は芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した。その理由が、「『淀五郎』の口演において」だった。仮名手本忠臣蔵の四段目が体に入っているからこそ、噺に説得力が出る。そこが選考委員に認められたに違いない。芸事は積み重ねが大事なのだ。=つづく

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  2. 2

    中森明菜が16年ぶりライブ復活! “昭和最高の歌姫”がSNSに飛び交う「別人説」を一蹴する日

  3. 3

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  4. 4

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  5. 5

    田中圭“まさかの二股"永野芽郁の裏切りにショック?…「第2の東出昌大」で払う不倫のツケ

  1. 6

    永野芽郁「二股不倫」報道で…《江頭で泣いてたとか怖すぎ》の声噴出 以前紹介された趣味はハーレーなどワイルド系

  2. 7

    永野芽郁“二股肉食不倫”の代償は20億円…田中圭を転がすオヤジキラーぶりにスポンサーの反応は?

  3. 8

    田中圭が『悪者』で永野芽郁“二股不倫”騒動はおしまいか? 家族を裏切った重い代償

  4. 9

    永野芽郁「二股不倫報道」の波紋…ベッキー&唐田えりかと同じ道をたどってしまうのか?

  5. 10

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か