著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

ガソリンスタンド近くの居住が子供に及ぼす影響は? カナダが新生児82万人対象に調査

公開日: 更新日:

 15歳未満の子供が発症するがんを「小児がん」と呼びます。小児がんの多くは血液のがんである白血病で、小児がん全体の3分の1を占めると推計されています。

 小児がんの明確な発症メカニズムは不明ですが、妊娠中や乳幼児期など子供の発達段階における生活環境や大気汚染物質との接触が関連しているのではないかと考えられています。とりわけベンゼンという物質は、低濃度であっても血液をつくる細胞に障害を与えることが知られています。ベンゼンは、ガソリンにも微量に含まれており、ガソリンスタンドの近隣に居住することが、発がんリスクと関連する可能性も指摘されていました。

 そのような中、居住地からガソリンスタンドの距離と小児がんの関連性を検討した研究論文が、環境汚染に関する学術誌の電子版に、2026年1月30日付で掲載されました。

 カナダで行われたこの研究では、07~20年に出生した新生児82万4414人が対象となっています。被験者の居住地からガソリンスタンドまでの距離や店舗数が調査され、「距離の近さ」と「店舗の多さ」を考慮した累積強度という指標が算出されました。累積強度は4段階に分類され、居住地から500メートル以内にガソリンスタンドがないグループを基準に、小児がんの発症リスクが見積もられました。

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