読んでひんやり!夏のホラー文庫本特集(2)わがままな物件探し中に遭遇する怪奇現象「怖い物件 山手線めぐり」藤白圭著

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 当たり前の日常生活のなか、少し刺激が欲しくなったら、人知を超えた世界を描くホラー本はいかが? 今回は、家族問題に介入する正体不明の男、物件探し中に遭遇する恐怖などの切り口から、異世界への扉を開けるホラー文庫本をご紹介!

  ◇  ◇  ◇

「怖い物件 山手線めぐり」藤白圭著


 伯母が所有する、駒込駅から徒歩5分の8畳1Kに家賃3万円という破格の値段で住んでいた保智は、ある日アパートの建て直し計画が持ち上がっていることを聞かされた。立ち退き期限まであと1年。好物件を探したい保智は、伯母に紹介された安在不動産の安在に物件紹介を依頼する。保智の希望物件の条件は、勤務先の新宿まで電車一本で駅から徒歩10分以内、なおかつ家賃4万円以内。わがままな条件にもかかわらず、安在は難易度の高さを乗り越え次々と物件を紹介してくるのだが、どれもいわくつきの家ばかり……。

 山手線内を中心に、37軒の訳あり物件に遭遇する奇妙な体験を描いた不動産ホラー小説。主人公は、実害はないが窓から変なものが見える、契約が2年限定など、予想外の物件に遭遇する。ラストの意外な真相も面白い。 (河出書房新社 935円)

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