テラハ事件の本質について「トゥルーマン・ショー」が警告

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 実はこれについてリアリティー番組の本場・米国では、映画「トゥルーマン・ショー」(98年)の中で20年以上も前に問題提起が行われている。究極のリアリティーショーを描いた本作は、視聴率が取れればなんでもアリというメディアの倫理観の欠如や、センセーショナリズムを支持し暴走する大衆、犠牲になる被写体の人生といった「テラハ」事件の本質について、すべて言及している。

 そもそもこの手の番組は80年代のオカルト番組と同じで「嘘とわかって楽しむ」のがお作法だ。だが「テラハ」視聴者は10~20代の若者も多く、昭和時代の怪しげなテレビ文化の洗礼を受けていない。

 何より日本人にとっての悲劇は「トゥルーマン・ショー」やUFO番組などで多少なりともリテラシーを身に付けた大人たちが、それを重要なスキルだと認識していなかったことだ。だから子供世代に伝えていないし、結果、少年少女は「だまされやすいウブのまま」大人になり、たやすくメディアに乗せられ攻撃者となって出演者たちを追い詰めてしまう。

 一方、作り手や発信者たちは日進月歩で技法を進化・巧妙化させているため、受け手との「情報格差」は開くばかり。リコール事件や不正選挙デマを信じる(主に保守系の)中高年が多い現状からは、いい大人でさえ、かつて得たレベルの「メディアリテラシー」では太刀打ちできない時代になっているのがわかる。

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