著者のコラム一覧
大竹聡ライター

1963年、東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告代理店、編集プロダクションなどを経てフリーに。2002年には仲間と共にミニコミ誌「酒とつまみ」を創刊した。主な著書に「酒呑まれ」「ずぶ六の四季」「レモンサワー」「五〇年酒場へ行こう」「最高の日本酒」「多摩川飲み下り」「酒場とコロナ」など。酒、酒場にまつわるエッセイ、レポート、小説などを執筆。月刊誌「あまから手帖」にて関西のバーについてのエッセイ「クロージング・タイム」を、マネーポストWEBにて「大竹聡の昼酒御免!」を連載中。

(28)多摩で酌み交わす祝い酒

公開日: 更新日:

 お世話になった編集者が引退される。その前に一献どうだとお誘いをいただき、国分寺にある私の好きな酒場にご案内した。

 私より3学年先輩だが、世代としては同世代。とりわけ昔の話になると、共通の話題に事欠かない。飲めば、話はあちこちに飛んで、こちらも甘えた感じが少し出て、気ままに質問し、そのたびに、先輩の博識に感心させられる。互いに短くもない人生を生きてきて、さまざまなことへの処し方の違いもまた、会話の調味料になる。

 ビールは1本だけにして、剣菱の樽酒を飲み、もう飲みすぎはいけないからと、9時には上がろうといいつつ、10時過ぎまで喋り尽きなかった。

 お疲れ様でした。これからも、よろしくお願いします。こちらが送り出すべきなのに、ご馳走になってしまった。

 それには理由がある。私はその日が誕生日だった。63歳。自分が63歳まで生きることを、若いころに考えたことがない。けれど、生きている。バカみたいに酒を飲んできたのに、ピンピンしていて、マス酒がうまいのだ。その思いを話したら、先輩はご自分の慰労の酒なのに、こちらの勘定も面倒見てくれた。私は、こんなことばかりしてきたな……。振り返ってそう思う。

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