著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

赤塚不二夫さん<1>赤塚不二夫さんは“アラーキー”の名付け親だと言っていたが…

公開日: 更新日:

 赤塚不二夫さんが亡くなって、もう13年が経つんだねぇ(漫画家の赤塚不二夫は2008年に肺炎のため72歳で死去した)。赤塚さんは何度も撮ってるんだよ。この写真は、“赤塚さん”だからバックは赤だって、ダジャレて撮ったんだよ(笑)。雑誌で撮ることになって、赤バックを持っていってね。おっ、こっちはカッコつけてるじゃないか。自分で「色男だ、色男だ」って言ってたからね(笑)。(雑誌『太陽』の連載<実力者たち>で荒木が各界の著名人を撮影、1975年1月号に別カットの写真掲載)

赤トンボを書き加え…赤塚不二夫がいかに優しい人かがわかった

 赤塚さんからもらったイラスト、うちに飾ってあるんだよ。B全でね、大きいんだよ。目の前でサササァーって、5分ぐらいで描いてくれたんだよね。ちゃんと天才バカボンのパパもニャロメも、なんとかっていうケムシも(ケムンパス)、描いてくれてね。

 バババァーって描いて、天才バカボンのパパを描いて、これで終わりかなって思ったの。そしたら、空に赤い点をポンポンって打ちだしたから何だろうって思ったら、赤トンボだよ!赤塚不二夫がいかに優しい人かって、わかったね。優しいイイ人なんだなっていうのがね。画竜点睛って言うけど、このトンボがそれなんだよね。素晴らしいよ。描くのも早くてね、すごいよ。5分か10分くらいだったね。
 

一番最初に“アラーキー”って言ったのは俺だからな

 赤塚さんは、“天才アラーキー”というのは俺がつけたんだって言うんだよ。一番最初に“アラーキー”って言ったのは俺だからなって、よく言っててね。違うんだよ。オレのはねぇ、“アナーキー”に掛けてるんだよね。電通の頃に、アナーキーになれって、自分にハッパかけて、アラーキーってね。赤塚さん、いつも言うからさ、酔っ払っててアラキが伸びただけじゃないのって、アハハハ。“天才バカボン”と同じにされちゃってんだよ(笑)。

(構成=内田真由美) 

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?