著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

ウクレレ漫談・牧伸二師匠「あ~やんなっちゃった~」誕生秘話

公開日: 更新日:

■山手線に乗ってくる人が口々に「やんなっちゃう」って

 構成を担当していた関西のトーク番組でゲストに来ていただいた時のこと。牧師匠に「やんなっちゃった」の誕生のいきさつを伺ったところ、「(昭和30年代)なにかいいフレーズがないか考えたんだけど、なかなか思いつかなくてね……。世間の人はどういうこと言ってるんだろうと思って、最初は喫茶店で観察しようと思ったけど、コーヒー1杯でそんなに長くいるわけにもいかないから、山手線で1駅分の切符を買って1日グルグル回ってみたんです。そうしたら『(値上がりばっかりで)やんなっちゃうわね』とか『(ダンナが毎晩遅くて)やんなっちゃうわよ』とか、乗ってくる人が口々に『やんなっちゃう』って言ってるんで“これはひょっとしたら使えるかもしれない”と思ってネタを考えて。やってみたら、それがウケたんですよ。だからみんな何かしらの不満を抱えてたんだね」と当時を思い出すように懐かしそうに話しておられました。

 ウクレレは、師匠・牧野周一氏から「なんか楽器持ってみたらどうだ」と言われ、最初はギターを考えたけれど、大きくて移動するのも大変なのでウクレレに。そしてハワイアンの曲をアレンジし、山手線で見つけた「やんなっちゃった」を加えた。これがきっかけで数々の「やんなっちゃった節」が誕生、ウクレレ漫談の元祖になられたそうです。

「フランク永井は低音の魅力、神戸一郎も低音の魅力、水原弘も低音の魅力、漫談の牧伸二低能の魅力、あ~やんなっちゃった、あ~ああ驚いた」がデビュー作。それから1500本ものネタを作られました。

 今見ても古さを感じない「やんなっちゃった節」は不滅です。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    亡き長嶋茂雄さんの長男一茂は「相続放棄」発言の過去…身内トラブルと《10年以上顔を合わせていない》家族関係

  2. 2

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    「時代と寝た男」加納典明(17)病室のTVで見た山口百恵に衝撃を受け、4年間の移住生活にピリオド

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 9

    「こっちのけんと」の両親が「深イイ話」出演でも菅田将暉の親であることを明かさなかった深〜いワケ

  5. 10

    中居正広氏に降りかかる「自己破産」の危機…フジテレビから数十億円規模損害賠償の“標的”に?

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?