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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<26>「病院に運ばれましたが、先ほど亡くなったそうです」

公開日: 更新日:

「この人がIさんかしら?」と木崎夫人は思ったはずだ。男性は「どちらさまですか?」と聞いた。

「私は木崎という者ですが、Iさんですか?」

「いえ、違います。実は……」

 男性は自分が消防署員であること、このマンションが今日の午後、火災に遭ったこと、それでも焼け落ちたわけではないことを伝えた。木崎夫人は安堵したのかもしれない。

「そちらに飯野矢住代さんという女性が見えてなかったですか?」と木崎夫人が尋ねると、消防署員は落ち着いた口調でこう答えた。

「病院に運ばれましたが、先ほど亡くなったそうです」

 矢住代の遺体は幡ケ谷の黒須病院(現・クロス病院)に収容されていた。 =つづく

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