著者のコラム一覧
吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<96>精いっぱいの演技か? 早貴被告はハンカチ片手に涙ぐんだ

公開日: 更新日:

 2018年5月30日、大雨の中で午前11時に始まった野崎幸助さんの葬儀は、出棺の時を迎えようとしていた。

「最後のお別れですから故人に縁があるものを入れてください」

 斎場の係員が棺桶に横たわる野崎さんを取り囲んでいる参列者に花を手渡しながら言った。

「他のヤツらに勝手なことはさせないので、天国にいる社長も敵討ちをする私を助けてください」

 今にも起きだしそうな穏やかな顔の社長に声を掛けて、私は「紀州のドン・ファン」のパート1とパート2をそれぞれ社長の顔の脇にそっと置いた。棺桶には、社長が普段着ていた薄紫の背広も入れられて、あふれんばかりの多くの花が遺体を囲んで敷き詰められた。

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