著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

386世代の台頭から続く新たな北朝鮮観 映画「スティール・レイン」は監督の政治思想も反映

公開日: 更新日:

 12月3日に日本で公開される韓国映画「スティール・レイン」でも北朝鮮委員長は憎めないキャラクターだ。米韓の大統領と首脳会談を行うが、北朝鮮内でクーデターが発生。3人の首脳は原子力潜水艦に監禁されるが、北朝鮮委員長は韓国大統領とコミカルなやりとりをし、北の乗組員たちも勇敢だ。

 前出のカン・ジェギュ監督やパク・チャヌク監督には共通点がある。“386世代”といわれる人たちだ。386世代とは90年代に30代で、80年代に民主化運動に関わった60年代生まれの人を言う。この386世代が韓国映画界に台頭してきたことにより、北朝鮮観が大きく変わったといわれている。

「スティール・レイン」のヤン・ウソク監督はその下の世代になるが、デビュー作の映画「弁護人」では80年代に軍事政権下の韓国で実際に起きた事件をテーマにしている。モデルになったのは故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領で、映画を見ると監督の政治思想は聞かなくても想像できる。

 日本でもヒットした韓国ドラマ「愛の不時着」ではヒョンビン演じる北朝鮮の軍人も魅力的だったが、「スティール・レイン」では韓国大統領役を「私の頭の中の消しゴム」のチョン・ウソンが演じている。かつてないほどイケメンの韓国大統領で、どうも印象操作されている気がしてならない。

■「スティール・レイン」
12月3日(金)から、シネマート新宿ほか全国ロードショー

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  2. 2

    【原田真二と秋元康】が10歳上の沢田研二に提供した『ノンポリシー』のこと

  3. 3

    カーリング女子フォルティウスのミラノ五輪表彰台は23歳リザーブ小林未奈の「夜活」次第

  4. 4

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  5. 5

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  1. 6

    福山雅治&稲葉浩志の“新ラブソング”がクリスマス定番曲に殴り込み! 名曲「クリスマス・イブ」などに迫るか

  2. 7

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 8

    松岡昌宏も日テレに"反撃"…すでに元TOKIO不在の『ザ!鉄腕!DASH!!』がそれでも番組を打ち切れなかった事情

  4. 9

    年末年始はウッチャンナンチャンのかつての人気番組が放送…“復活特番”はどんなタイミングで決まるの?

  5. 10

    査定担当から浴びせられた辛辣な低評価の数々…球団はオレを必要としているのかと疑念を抱くようになった