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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

“脱北者”が夢にまで見た「韓国」も景気低迷で生き地獄…そして戻るも地獄

公開日: 更新日:

 韓国・ソウルの焼き肉店で食事をしていたときのこと。無愛想な女性店員が注文を取りにきた。一緒にいた韓国人の友達は、女性店員が北朝鮮なまりだったと話していた。言葉を交わせばすぐ分かるそうだ。

 北朝鮮から逃れ、韓国に渡ってきた人は北朝鮮人でも韓国人でもなく、“脱北者”と呼ばれる。彼らは韓国で必ずしも幸せになるとは限らない。そもそも韓国人でさえ、安定した職場で高収入を得るのは容易ではないのだ。

 同じ民族とはいえ、北朝鮮は常に上からの命令に従うのが当たり前の社会。そのせいか、自分で考えながら仕事に取り組むことに不慣れという声もある。

 今月12日から日本で公開される韓国映画「ファイター、北からの挑戦者」でも、脱北した女性の孤独が描かれている。脱北者の支援センターを出て食堂で働き始めるが、収入は足りない。彼女はプロボクサーになって稼ぐ決意をする。

 映画のヒロインは過酷な道を歩むが、朝鮮半島には「南男北女」という言葉がある。男性は南(韓国)のほうがカッコ良く、女性は北(北朝鮮)のほうが美人という意味だ。朝鮮王朝以前からある古い言葉だそうだが、確かに国際スポーツ大会で派遣される北朝鮮の美女軍団は、韓国人男性から人気がある。

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