著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<19>1971年3月、野口プロ芸能部・第1号歌手「五木ひろし」が誕生した

公開日: 更新日:

 ただし、芸能界に参入したことで野口プロの性格は著しく変質した。メインはあくまでも、沢村忠を擁するキックボクシングの興行と、会員500人からなるジム経営、高視聴率を叩き出していたテレビのキックボクシング中継の放映料だったが、野口修の関心は芸能に移った。

 芸能部第1号歌手である五木ひろしが、1971年3月1日リリース「よこはま・たそがれ」で再デビューをはたすと、手始めに野口修は「野口音楽出版」なる版権会社を設立した。これを機に音楽版権ビジネスにも乗り出すことを決めたのだ。野口修はこの一曲のために5000万円(※現在の価値で約2億円)を投じた。また「姫」で時折顔を合わす程度の付き合いだった平尾昌晃も、これ以後は野口修と頻繁に関わるようになった。

「野口さんとよく会うようになったのはこのときから。最初は(山口)洋子ちゃんも交えてだったけど、野口さんと2人だけで打ち合わせをする機会も増えた。個人的なことを言うと、僕は弟さんの野口恭さん(元日本フライ級王者)のファンだったから、『本物の野口恭がいる』って興奮したもんだよ。会社に行くと野口家のお母さんが仕切っていて『あんたは腰が悪いから、この薬がいい』なんて、効くのか効かないのかわからないような漢方薬をいつも渡されてさ(笑い)」(平尾昌晃)

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」