故・藤子不二雄Ⓐさんが生前解決しきれなかった「消えたオバQ」問題

公開日: 更新日:

 Ⓐさんの訃報を機に久々に手に取る人も多いだろうが、出世作の「オバQ」を読み返すのは数年前まで不可能に近かった。

 高い人気にもかかわらず、88年を最後に単行本の増刷がストップ。他の作品と異なり、文庫版や愛蔵版も出版されず、絶版状態はFさんの死去後、2009年に刊行された「藤子・F・不二雄大全集」にⒶさんと著者名併記で収録されるまで、20年以上も続いた。おかげで古本価格はかなり高騰したものだ。

「オバQは『藤子不二雄』としての2人の最後の共作で、著作権を共同で持つ作品です。ⒶさんはFさんについて『漫画の世界に引っ張ってくれた恩人』と繰り返し感謝と敬意を示していたほど、強固な友情の絆で結ばれていました。2人が版権の取り分を巡って揉めることは考えにくく、周囲の人々の感情のもつれで再版が見送られていたようです」(出版関係者)

 ようやく15年に新装版「オバQ」の単行本が刊行、電子コミック化もされているが、過去3度のアニメ化作品で現在、ネット配信されているのは85年開始の第3作のみ。DVDソフト化は全作されていない。

 Ⓐさんが完全に解決しきれなかった「消えたオバQ」問題──。天国で再会したFさんと共に「新しいアニメ化オバQを今の子供たちに見て欲しい」と願っているに違いない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    国分太一コンプラ違反で無期限活動休止の「余罪」…パワハラ+性加害まがいのセクハラも

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  2. 7

    “バカ息子”落書き騒動から続く江角マキコのお騒がせ遍歴…今度は息子の母校と訴訟沙汰

  3. 8

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  4. 9

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  5. 10

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  2. 2

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  3. 3

    国分太一が無期限活動休止へ…理由は重大コンプラ違反か? TV各局に全番組降板申し入れ、株式会社TOKIO解雇も

  4. 4

    吉沢亮「国宝」が絶好調! “泥酔トラブル”も納得な唯一無二の熱演にやまぬ絶賛

  5. 5

    ドジャース佐々木朗希 球団内で「不純物認定」は時間の問題か...大谷の“献身投手復帰”で立場なし

  1. 6

    中学受験で慶応普通部に合格した「マドラス」御曹司・岩田剛典がパフォーマーの道に進むまで

  2. 7

    進次郎農相の化けの皮ズルズルはがれる…“コンバイン発言”で大炎上、これじゃあ7月参院選まで人気持たず

  3. 8

    砂川リチャード抱える巨人のジレンマ…“どうしても”の出血トレードが首絞める

  4. 9

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  5. 10

    「育成」頭打ちの巨人と若手台頭の日本ハムには彼我の差が…評論家・山崎裕之氏がバッサリ