著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

今いくよさんのお宅には“つけまつげ”が30種類近くも リポーターが「集めてはるんですか?」と聞くと…

公開日: 更新日:

今いくよさん

 1985年から、いくよさん(写真右)が胃がんで入院される2014年まで、漫才台本のほとんど全てを書かせていただきました。

 まだ、「なんば花月」があった40年前、打ち合わせにちょっと早く楽屋に伺ったところ、なんと! いくよさんがメーク前の“スッピン”でいらしたことが一度だけありました。

 “見てはいけないものを見てしまった”と一瞬思い、鏡越しに「すいません、早すぎました!」とドアを閉めようとすると、「かめへん、かめへん、入ってください。エライとこ見られてしもたわ。ごめんやで(メークの)完成前で。ゆうべも遅うて、ナンボにも起きられへんかったんよ。タクシーの運転手さんに見られたいかんから、サングラスして来たがな~」。

 隣でくるよさんが「まんはん(本名の正子さんに由来)の素顔見た男性て、センセ(先生)が初めてちゃう?」「なんでやねんな! 何人もいたはるがな!」「見え張りなて!」と即興の漫才が始まります。

 いくよさんを見ないよう、目を伏せていると、くるよさんが「これから粗塗り、上塗り、化粧塗り、仕上げで2時間はかかるから、よう見といてください。めったに見られへんねから~」と言い、「壁やないねんから、そないかかるかいな!」という軽妙なかけあいが続く中、鏡越しの見学になりました。

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