「派遣でコールセンター」とは正直に言えない…借金返済のため同業を掛け持ちするシニア男性の悲哀
【第6回:コールセンターで働くシニア男性の素顔・前編】
「人生100年時代のロールモデルがいない」──退職後のサラリーマンが迷走している。キャリア、居場所はリセットされ、年金不安時代は資産形成も「自己責任」。「人手不足」の号令の下、今日もシニアは働き続ける。『副業おじさん』『過労シニア』のルポライター・若月澪子が、奮闘し続ける令和シニアの素顔を追う。
◇ ◇ ◇
「仕事はパソコンなどを生産している一部上場企業で、PCのハードウェアの品質管理コンサルタントをしています」
こう話すのは都内在住のFさん(60)。ノーネクタイのYシャツに黒縁の眼鏡、真面目そうなシニア男性である。
「一部上場」「品質管理コンサルタント」と聞けば、なんとなく高度な専門知識を必要とする仕事という印象を受ける。そこで「エンジニアですか?」と聞くと、「いえ、エンジニアではありません」という。さらに突っ込んで聞いたところ、Fさんはとてもモジモジしながら早口で答えた。
「パソコンの修理などを請け負うコールセンターです」
少し沈黙。「一部上場」「ハードウェア」と言われていたせいか、改めて聞かされた「コールセンター」が妙に浮いて聞こえる。
「失礼ですが、そちらの企業での雇用形態は……」と尋ねると、Fさんはだいぶ小さめの声で答えた。
「派遣社員です……」
Fさんは勇気を振り絞って、「派遣社員」として「コールセンター」で働いていることを打ち明けてくれたようだ。Fさんはこの仕事を2年ほど前に始めたという。















