著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

【番外編】「うめだ花月」の打ち合わせ、渡した台本を照明さんがそのままゴミ箱へ…

公開日: 更新日:

 1987年の夏ぐらいだったと記憶しています。

「漫才作家」を名乗って4年目。漫才台本だけを書いて、なんとか食べていた頃、当時の「うめだ花月」には20分間の枠で歌あり、コントあり、漫才ありの「ポケットミュージカル」というコーナーが週替わりで行われていて、トミーズがネタと歌で出演するため、構成を担当することになりました。漫才台本を提供して「うめだ花月」の舞台で演じてもらうことは何度もありましたが、それ以外の仕事としては全く初めてのことでした。

 本番1週間前、劇場のスタッフに連れられて、最上階にある音響室と照明室へ打ち合わせに。音響担当の方にあいさつと内容を説明して了解をいただき、照明室へ行くと“事件”は起こりました。

「本多と申します。今回はよろしくお願いいたします」とあいさつをして台本を手渡すと、50歳ぐらいのがっちりした体格の照明さんは「おはようさん」と言いながら、渡した台本をそのままゴミ箱へ捨てられたのです。私は予想もしていなかった出来事に唖然として、声も出せずに捨てられた台本を見ていました。

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