【追悼】三遊亭円楽さん 見果てぬ夢となった落語界天下統一と大名跡・円生襲名

公開日: 更新日:

志半ば、72歳で死去 満身創痍の晩年

 志半ば、72歳。落語家の三遊亭円楽師匠が、落語家人生に幕を下ろした。 志半ば、と書いたのは、二つの大きな心残りを胸に旅立ったからだ。それにしても、満身創痍の晩年になってしまった。

 今年1月25日から5月まで、脳梗塞で長期入院。懸命のリハビリを経て、8月11日、東京・国立演芸場中席で高座復帰を果たし、「体調はまあまあだね」とかすれ声で話していたが、同月26日に息苦しさを訴え検査を受けたところ肺炎であることが判明。所属事務所は「誠に残念でなりません。次の高座に上がれる日に向けて、治療に専念いたします」と、2~3週間入院することを伝えていたが、退院することも、再び高座に上がることもかなわなかった。

 本人は自分の体調に不安だったようで、関係者が「時々、ものすごく落ち込んでいたりすることがある」ともらすことがあった。左半身が動かないという現実、落語をしゃべる口調だけはかろうじて天が残してくれたが、それさえも以前のように立て板に水とはいかず、本人の忸怩たる無念を思うとただただ辛い。

■自分の持ち味は「外交」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」