【追悼】三遊亭円楽さん 見果てぬ夢となった落語界天下統一と大名跡・円生襲名

公開日: 更新日:

 だが、円楽師匠の死によって、全国統一は夢に終わった。円楽師匠の遺志を継げるだけの器の人物はしばらく出そうにない。

■「名前が野ざらしになっちゃってる。もったいないよね」

 もう一つ、志半ばで終わってしまったのは、三遊亭の大名跡、三遊亭円生を襲名すること。天下統一よりも、襲名の現実味は高かった。

 六代目円生の遺族も、一門がまとまるなら、と円楽師匠の円生襲名を認めていたという。円楽師匠自身も意欲を隠すことなく、ことあるたびに、円生襲名へのこだわりを語っていた。

 六代目円生の弟子筋は、五代目円楽党以外にも落語協会にもいる。円生の直弟子で、かつては円生襲名に名乗りを上げたことがある三遊亭円丈師匠は2021年11月30日に亡くなり、前座時代に円生門下に移った三遊亭円窓師匠が六代目門下の最後の存命者だったが、今年9月15日、心不全のために旅立った。

 六代目円生の直弟子はいなくなり、円楽師匠の同じ孫弟子、さらにはひ孫弟子が、襲名権利者として残された。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 3

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  4. 4

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  5. 5

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  1. 6

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  2. 7

    小野田紀美経済安保相の地元を週刊新潮が嗅ぎ回ったのは至極当然のこと

  3. 8

    前田健太は巨人入りが最有力か…古巣広島は早期撤退、「夫人の意向」と「本拠地の相性」がカギ

  4. 9

    「しんぶん赤旗」と橋下徹氏がタッグを組んだ“維新叩き”に自民党が喜ぶ構図

  5. 10

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み