著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

今年の暫定No.1邦画は「渇水」主演の生田斗真はジャニーズの宝である。だが…

公開日: 更新日:

 姉妹と近い年ごろの息子をもつ岩切には家庭内での悩みもあり……そんな彼が「流れ」を変えるべくとった行動とは? 社会の底辺で貧困を生きる者たちのドラマとして、是枝裕和やケン・ローチの作品群を思い出す人も多いであろう傑作だ。

渇水』には同名の原作がある。1990年の芥川賞候補にもなった河林満の小説だが、作品も作者も有名とは言いがたい(映画を配給するKADOKAWAが4月に文庫で復刊した)。

 河林は2008年に57歳で他界したが、彼の友人に映画化の検討をもちかけられた髙橋は、同い歳の脚本家・及川章太郎と組んで脚本化を進めた。すでに10年ほど前から映画業界では「いい脚本があるらしい」と評判になっていたという。

■社会の格差がより広がった現在で…

 事態が大きな展開を見せるのは、『孤狼の血』シリーズで日本映画界を牽引する存在となった白石和彌監督が脚本に惚れ込み、企画プロデュースに参画してから。『渇水』の仕上がりが白石の作風とはまるで異なるところに、髙橋+及川コンビと同世代のぼくは胸が熱くなる。無名の先輩・髙橋の才能を尊敬する「大後輩」白石のやわらかな眼差しが、この作品の背骨にはある。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    新木優子と結婚した中島裕翔は大正解! 吉田羊との“合鍵愛”報道から10年目…

  3. 3

    二軍で塩漬け、移籍も厳しい…阪神・梅野隆太郎に残された“代打の神様”への道

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希またも“自己中発言”で捕手批判? 露呈した「人間性の問題」は制球難より深刻

  5. 5

    連続出塁記録に黄信号…ドジャース大谷翔平の本拠地6連戦が“鬼門”になるワケ

  1. 6

    阪神・藤川監督に「裸の王様」の懸念 選手&スタッフを驚愕させた「コーチいびり」

  2. 7

    中島裕翔に新木優子と熱愛報道 ファンから囁かれるHey! Say! JUMP脱退の背景と“問題児”の過去

  3. 8

    広瀬すず 映画賞受賞ラッシュでも残された大仕事「大河ドラマ出演」への“唯一のネック”

  4. 9

    完全復活を遂げた吉田羊と"7連泊愛"中島裕翔の明暗…恋路を阻んだ"大物"による8年前の追放劇

  5. 10

    トランプ大統領に「認知能力低下」説が急浮上 タガが外れた暴言連発で“身内”MAGA派からも正気を疑う声