イルカさんが初めて明かした歌う喜びの“原点”と名曲「なごり雪」秘話

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「なごり雪」を歌うのはかぐや姫に申し訳ない

「なごり雪」を初めて聴いたのは、かぐや姫のアルバム「三階建の詩」でした。夫(神部和夫)と一緒に聴きました。正やん(伊勢正三)が作った曲が入っているので興味津々でしたね。夫は「なごり雪」を聴いてすごく気に入ったみたいで「いい曲だ」としみじみと言っていました。でも、後々歌うことになるなんて思ってもいないから私は普通に「いい曲だね」って(笑)。

 その後、夫と2人でのシュリークス(バンド)を解散し、夫は音楽プロデューサーになり、私はイルカとしてソロデビューしました。

 レコード会社も所属している事務所も同じだったので、かぐや姫のコンサートの前座で20分くらい弾き語りで歌っていました。出番が終わった後は、夫に「かぐや姫のステージは素晴らしいから、見て、勉強しなさい」と言われていたのでいつも横で聴いていました。その時に「なごり雪」はすごいと思いました。曲が流れると会場の雰囲気が一変し、ヒタヒタヒタと会場に染み渡るというか、みんな吸い込まれていくような感じになる。それを目の当たりにして、この歌は後世に残っていくだろうと思いましたね。

 かぐや姫が解散することになったのはビックリでした。その時は「なごり雪」がどうなるとかはまったく思わなかった。かぐや姫が歌った実績があってアルバムもあるんだから、それでいいんじゃないか。それ以上は思わなかったですね。

 ところが夫がある時、ミーティングから帰ってきて言うわけです。「イルカさあ、『なごり雪』知ってるでしょ?」と聞かれ、「知ってるよ」と答えると、「イルカがあれを歌ったらすごくいいんじゃないかってことになったんだけど」と。私は「なんで? 今さら私が歌うの?」と言いました。かぐや姫の歌として確固たるものなのに私がシャシャリ出ていってこれまでのイメージをぶち壊す、土足で踏み込んでいくことは許されないと思いましたから。

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