(15)「志半ば」でいい! 意欲は“一生もの”にしておかなくちゃ

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「いま、リフォームにハマっているんです。自宅の敷地にある小さくて古いログハウスなんですけど、なんとか自分でやってみようってはじめたんですよ。かっこよくいえばDIYかな。DIYの最初は棚とか、椅子とかだったんですが、ふと思い立って、ログハウスを直しちゃえって……」

 見よう見まねではじめた中尾さんだが、いまや“マイブーム”になっているようだ。

「もちろん、たったひとりでっていうわけにはいかない。同じ敷地内のアパートの住人さんとか親しい友人に手伝ってもらうこともありますがね。力仕事とか、背伸びしても届かないところなんかは、若い人に手伝ってもらうのがいちばん。DIYのなにが楽しいかって、それは“やったー”っていう達成感。仕事でも遊びでも新しいことをはじめて、それがうまくいったときの気分って最高ですよ。こういうことをつづけていけば、いくつになっても楽しく生きていけるんじゃないかしら」

 こう話す中尾さんには、ちょっぴり苦い思い出がある。

「父のことなんです。一緒に暮らしていたんですが、晩年はふさぎ込むことが多くなったんです。もともとは社交的な人で仲のいい友人と麻雀を楽しんだり、一緒に出掛けたりしていたんですよ。でも、そういうお友だちが病気になったり亡くなったりして、家に閉じこもることが多くなった。“これはよくないな”って思って、私も買い物に行こうとか、旅行に行こうとか誘ってはみたんですが、好奇心というか意欲が湧いてこないのかしらね。なかなかうまくいかなくて……」

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