著者のコラム一覧
松尾潔音楽プロデューサー

1968年、福岡県出身。早稲田大学卒。音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、SMAP、JUJUらを手がける。EXILE「Ti Amo」(作詞・作曲)で第50回日本レコード大賞「大賞」を受賞。2022年12月、「帰郷」(天童よしみ)で第55回日本作詩大賞受賞。

10代で何かに猛烈に心を奪われた経験をもつ人へ…中森明夫著「推す力」は上質な成長譚だ

公開日: 更新日:

 ぼくのX(旧ツイッター)で長らく冒頭に固定しているポストが、2022年9月に始まった本連載の初回の写真。そこでぼくはふたりの60代作家に挟まれている。彼らにはいくつかの共通点があるが、なかでも興味深いのは、それぞれ「作家」以外にもたしかな肩書きを持っていることだろう。

 まずは島田雅彦。大学生時代にデビューした彼は長い執筆キャリアで知られるが、一方で大学教員という顔もある。20年前から法政大学国際文化学部教授を務め、それ以前も近畿大学の教壇に立っていた島田さんは、作家よりも教員として「センセイ」と呼ばれることのほうが圧倒的に多い人生だよと、酒場でにこやかに語ってくれたことがある。

 そして中森明夫。「おたく」の名付け親で、80年代は「新人類」のトップランナー。近年は大杉栄や寺山修司といったレジェンドを自作小説の中で次々に蘇生させた奇才だが、もうひとつの顔はきわめて稀有。ずばり、アイドル評論家。それって何よ? と訝しむ人は、今すぐ「アイドル評論家」でググってみればいい。トップ画面から彼の名前と写真で埋めつくされるさまは圧巻のひとこと。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    日吉マムシダニに轟いた錦織圭への歓声とタメ息…日本テニス協会はこれを新たな出発点にしてほしい

  5. 5

    巨人正捕手は岸田を筆頭に、甲斐と山瀬が争う構図…ほぼ“出番消失”小林誠司&大城卓三の末路

  1. 6

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  2. 7

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    「ばけばけ」苦戦は佐藤浩市の息子で3世俳優・寛一郎のパンチ力不足が一因