著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

老いの醍醐味は「楽しい時間」を長く味わえること!

公開日: 更新日:

 感情の種類や、その人自身の年齢によって、感じる時間の長さが変わるという興味深い報告があります。

 そもそも、私たちが感じる時間は、「主観的な時間(心の時間)」と呼ばれ、実際の時間(時計の時間)とは異なることがあります。この心の時間がどのように決まるかを、「内部時計モデル」といい、心拍や神経活動の増加が、感じる時間の長さに差異を与えるといわれています。

 これを示す研究が、中国人民大学のリウらが行った実験です。感情が時間知覚にどのように影響を与えるか--特に高齢者に焦点を当てて調査し、年齢による感情処理の違いが、時間の長さの認識にどのように反映されるかを調べています。

 老若男女の被験者に対して、喜び、悲しみ、怒り、中立といった顔の表情を見せ、自分自身が(その表情から)湧き起こった感情と、その時間の経過を分析したところ、高齢者は、「ネガティブな顔を見ているときは、時間が早く過ぎるように感じる」傾向に、「ポジティブな顔を見ているときは、時間が長く感じられた」ことが分かったといいます。一方、若者はその逆で、ネガティブな顔を見ているときこそ、時間が長く感じやすいことが判明したそうです。つまり、感情と時間知覚の関係が、年齢によって逆転し得ることが示唆されたのです。

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