老いの醍醐味は「楽しい時間」を長く味わえること!
感情の種類や、その人自身の年齢によって、感じる時間の長さが変わるという興味深い報告があります。
そもそも、私たちが感じる時間は、「主観的な時間(心の時間)」と呼ばれ、実際の時間(時計の時間)とは異なることがあります。この心の時間がどのように決まるかを、「内部時計モデル」といい、心拍や神経活動の増加が、感じる時間の長さに差異を与えるといわれています。
これを示す研究が、中国人民大学のリウらが行った実験です。感情が時間知覚にどのように影響を与えるか--特に高齢者に焦点を当てて調査し、年齢による感情処理の違いが、時間の長さの認識にどのように反映されるかを調べています。
老若男女の被験者に対して、喜び、悲しみ、怒り、中立といった顔の表情を見せ、自分自身が(その表情から)湧き起こった感情と、その時間の経過を分析したところ、高齢者は、「ネガティブな顔を見ているときは、時間が早く過ぎるように感じる」傾向に、「ポジティブな顔を見ているときは、時間が長く感じられた」ことが分かったといいます。一方、若者はその逆で、ネガティブな顔を見ているときこそ、時間が長く感じやすいことが判明したそうです。つまり、感情と時間知覚の関係が、年齢によって逆転し得ることが示唆されたのです。


















